パンテールがシリーズ化され、カルティエのアイコンとなるまでには、ジャンヌ・トゥーサンという女性デザイナーの存在が深く関わっています。1877年にベルギーで生まれた彼女は、創業者の孫であるルイ・カルティエに才能を認められ、後に高級宝飾部門のクリエイティブディレクターに就任しました。一族外かつ女性の抜擢は異例のことで、ジャンヌの比類なき才能とセンスがうかがえます。
ジャンヌは毛皮をこよなく愛し、パンテールという愛称で親しまれていました。彼女はルイ・カルティエと恋人関係にあり、ビジネスパートナーとしても女性としても愛される存在でした。身分の違いから結婚することは叶いませんでしたが、ジャンヌは生涯カルティエのクリエイターとして働き続け、その名は今も語り継がれています。彼女が広めたパンテールもまた、誇り高き女性の象徴としてブランドを照らし続けています。
「パンテール ドゥ カルティエ」ウォッチコレクションとは
パンテール ドゥ カルティエ デザイン画
1983年からコレクション化したパンテールウォッチは、野性的かつ優雅なパンテールのイメージを抽象的に表現したものです。存在感のあるスクエア型のフェイスに、5つのコマを繋ぎ合わせたしなやかなブレスを合わせています。また、ケースサイドの曲線は伸びやかな豹の腕のラインを表しています。上品さと華やかさのバランスが良く、どの年齢層にもなじむデザインです。
パンテールを含むカルティエのクォーツ時計は、2~3年に一度の電池交換、5年に一度のオーバーホールが推奨されています。大切に扱えば長く着用できるものばかりです。
【カルティエのオーバーホール】料金や期間と頻度、見積もりなど利用方法まで徹底解説
カルティエのオーバーホールにかかる料金や期間などを解説しています。保証期間を延ばすカルティエケアや正規コンプリートサービスの依頼方法、お手入れのポイントについてもまとめました。
復刻前後ではどこが違う?
1983年から2008年(生産終了)までのモデルと、2017年からの復刻後のモデルでは、どのような違いがあるのでしょうか。デザインはあまり変わらず、流行にとらわれないカルティエらしさ・従来のパンテールらしさが大事にされています。しかしよく比較してみると、細かいところでアップデートが行われているようです。ここでは復刻前後のパンテールウォッチの違いを解説します。
中古のパンテールを購入する場合にも、この違いを知っていれば少なくとも2008年以前までのモデルなのか、2017年以降の新しいモデルなのか、ということがパッと見て分かりますね。